農家戸別補償
2010年06月29日
コシヒカリを植えた田んぼを見回る山本弘幸さん。奥に世界遺産・丹生都比売神社の鳥居が見える=かつらぎ町上天野
■夢のない恩恵
・「作った物の価値で暮らしたい」
高野山のふもと、のどかな田園風景が広がるかつらぎ町天野地区。きれいな水や昼夜の寒暖差が、うまい「天野米」をつくり出す。
山本弘幸さん(55)は「体力のあるうちに専念したい」と今春、町役場を退職して専業農家になった。水田計約107アール(1万700平 方メートル)のうち、天野地区の82アールにコシヒカリと転作のトマト、親類から借りた町外の25アールに飼料米を植えて、戸別所得補償制度の申請をし た。
同制度は、昨年に政権に就いた民主党の目玉政策の一つ。今年度は米を対象にモデル事業が始まった。予算に約5600億円を計上。減反への 協力を条件に全国一律に1万5千円(10アールあたり)を交付して、米づくりの赤字を補う。価格が下落すれば差額も補償する。さらに転作すれば補償が上乗 せされる。
農水省は、この制度によって農業経営を安定させて農村や水田を守り、食料自給率の向上につなげると説明している。対象農家の条件は決まっているが、強制参加ではない。
山本さんは、収穫後にコシヒカリで9万円、飼料米で20万円の計約29万円を受け取る見込み。だが、「ありがたいけど夢がない」と浮かぬ表情だ。
人気の天野米は、一般の米の1.5倍程度の相場で売れる。米の価格が下がり続けることの方が心配だという。「作った物の価値で暮らせるのでないと情けない」
減反をせず制度に参加しない農家が多いと、米が余って価格が下落する。すると制度に参加した農家への税金投入は逆に膨らむ。「そうなると国民は納得しないでしょう。転作と米の消費拡大にボンとお金を出した方が自給率は上がるのでは」と話す。
県果樹園芸課によると、県内の戸別所得補償制度の対象は推定約2万戸。5月末までの申請件数は9558件。今月末まで受け付けている。
和歌山市の兼業農家の50代男性は申請を見送った。水田約50アールを持つが、「商売にならなくても水田は管理が楽。土日に世話するだけ では畑に転作できない」と減反しなかった。男性は、自分のような兼業農家が制度の対象になっていることに疑問を感じている。「農業で生計を立てている人を 手厚く支援した方がいい」
そもそも県内では米の存在感は薄い。2008年の県内の農業生産1079億円に対し、みかん257億円、梅164億円など果樹が約60% を占め、米は83億円で7.7%。担い手も小規模で、農林業センサス(05年)によると、県内の作付面積は平均41アール。米どころの東北や北陸が1ヘク タール(100アール)を超えるのに対し、全国最小の東京(31アール)に近い。
全国一の生産を誇る梅は今年度は蚊帳の外に置かれた。高級品の南高梅も近年は不況や輸入品に押されて価格が下落気味で、さらに今年は2月からの天候不順で大きな被害を受けた。
JAみなべいなみ(みなべ町)の久保秀夫組合長(60)は「現金は誰しももらえるんなら欲しい」と率直だが、戸別所得補償制度には批判的だ。「政府の借金の先送りの方が心配だ。農業は全国一律の制度を当てはめるよりも、適地適作を進めて効率化を図るべきだ」(三島庸孝)
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昨夏の政権交代後初の国政選挙となる参院選。投票日を前に、民主党を中心とする政権がもたらした変化の現場を歩いた。仙台の「マルシェ」の売りは? お客と丸ごと、旬の触れ合い

針生信夫さん
せんだいファミリアマルシェ実行委員会実行委員長・針生信夫さん(48)に聞く。
仙台市青葉区のアーケード街「サンモール一番町商店街」で月に2~4回、週末(金―日曜日)に開かれている食品の仮設直売所「マルシェ・ジャポン センダ イ」。農林水産省の補助事業として昨年12月に始まった。政府の事業仕分けの対象になって補助金が打ち切られ、4月から独自に続けている。
「出店者や地域の人から継続を求める声が寄せられました。背景にフードデザート(食の砂漠)の問題がある。会場周辺にはスーパーなどの生鮮食料品店のない地域があり、その穴埋めとしてマルシェがはまりました。高齢者が多く買いに来てくれています」
欧州の都市に立つマルシェ(青空市)がモデルだ。しゃれた白いテントに、東北各地の農家や農業法人が持ち寄った旬の農産物と加工品が並ぶ。5月までに36市町村から74団体が出店した。軽快な音楽が流れる中、生産者は熱心にPRし、買い物客は味見して調理法を尋ねる。
「アーケードなので天候に左右されません。直射日光も当たらず、商品の鮮度が保てます。開催中は1日1万人の人の流れが生まれ、商店街と共存共栄できます」
産直市はほかにも、仙台市内各地で開かれている。産地偽装など食にかかわる事件が後を絶たず、顔が見える市に消費者の期待は高まる。
「生産者や産地を示すだけでなく、思い入れや夢を伝えることも大事。消費者もこだわりを持って訪れるので、商品の質に加え、売り手も専門知識が問われます。掛け合いの妙も楽しみの一つ。多彩な市の開設は仙台の個性化につながります」
国の補助が打ち切られた以降の対応は?
「経費を抑える仕組みを全国12カ所のマルシェの運営団体と協議しています。農繁期の販売態勢も課題。生産者に代わって販売を手伝ってくれるボランティアを募りたい。賃金を支払う代わりに農産物を贈ります」
消費者との交流を街中にとどまらせないのが仙台流だ。マルシェファームオーナー制度は、参加店で500円の買い物をするごとにスタンプをもらい、60個集めると、1坪(3.3平方メートル)の畑のオーナーになれる。
「近郊に農地がある仙台ならではの企画です。若林区の市農業園芸センター近くの用地で今月に活動を始めました。農作業を通して食べ物の大切さ、作る難しさ、植物の成長の面白さを体感してもらい、食育や環境問題を考える場にしたいと思います」
「われわれ1次産業従事者は生産に専念し、高齢化や自給率の問題を他人任せにしてきたところがあり、衰退していきました。変わるためには消費者の目線が欠かせません」
専業農家の15代目。柔道や空手で鍛えた身長188センチの体に意欲がみなぎる。「消費者との触れ合いで得られる情報は掛け替えのないものです。商品ニーズや食の安全への認識を踏まえ、進化するためにトライし続けたい」(生活文化部・芳賀紀行/写真部・及川圭一)
<はりう・のぶお>仙台市出身、宮城県農業講習所卒。同市の農業生産法人「舞台ファーム」社長。同市経済懇話会経済審議員、同市認定農業者連絡会幹事を務める。連絡先はせんだいファミリアマルシェ実行委員会事務局022(221)0040。
“水ビジネス”国際イベント
6月29日 7時20分
海水を飲み水に変えたり、工場の排水を浄化したりといった「水ビジネス」の専門家や企業が一堂に会して展示会や商談を行う催し「国際水週間」が、28日からシンガポールで始まりました。
国際水週間は、水ビジネスを国の基幹産業に位置づけているシンガポールが、水にかかわる企業や人を集めて情報交換や商談を進めようと、毎年行っているもので、3回目となったことしの展示会には、80の国と地域から500に上る企業や団体が参加しました。このうち日本からは、プラントメーカーなどのほか、外国での水道事業への参入を検討している東京都や大阪市などの自治体も参加し、水道水を詰めたボトルを配ったり、地震に強いパイプなどを展示したりしています。水ビジネスは、人口の増加や都市化が進むアジアの新興国などで需要が拡大し、将来は100兆円を超える市場に成長するという見方もあることから、日本政府も成長戦略の柱の1つに位置づけ、海外での受注拡大を目指すとしています。日本は、世界トップクラスの技術力を訴えていますが、水メジャーと呼ばれるヨーロッパの企業だけでなく、国の強い支援を受けたシンガポールや韓国などとの競争が激しくなっています。
中国、玉樹震災地の民衆に生活手当てを再支出
2010-06-28 12:45:41 cri
中国の関係部門はこのほど通達を出し、「玉樹地震で被災地となった青海省と四川省に住む生活困難な住民に3カ月分の生活手当てを改めて供与する。1人平均1日10元の手当てと500gの食糧が配給される」と発表しました。
民政省が28日明らかにしたところによりますと、生活手当てを受けられるのは主に孤児と一人暮らしのお年寄り、身寄りのない身障者、それに地震で住宅が倒壊したか、あるいはひどく壊れたため生活が苦しい状態にある人々です。また手当て供給期間は7月の中旬から10月中旬までです。
この通達は、「生活手当ての配給後、なおも救助を必要とする人々に対しては、都市部と農村部の最低生活保障制度に組み入れ、その最低生活水準を保障していく」としています。(翻訳:玉華)
横浜市が日本一物価が高い都市に-46年間トップの東京を抜く
(2010年06月28日)
総務省が6月25日に発表した、2009年の消費者物価地域差指数によると、全国の都道府県庁所在地で物価が一番高い都市は横浜市だった。
消費者物価地域差指数は、全国各地域の物価水準を指数化し、地域間の物価水準の差を表すための指数で、全国平均が100。都道府県庁所在地の総合指数では、横浜市が110.2と最も高く、調査が始まった1963年以来、46年間連続でトップだった東京都区部を初めて抜いた。
物価が高い都市は、東京都区部=110.0、大阪市=107.1、静岡市=105.5、金沢市と京都市が共に105.3の順となっている。最も物価が安かったのは、3年連続で宮崎市で96.6。次いで、秋田市=97.5、那覇市=97.8、前橋市=98.8、松山市=99.2の順。
総務省は「全国的にデフレが進むなか、横浜市では食料品の価格の水準がほぼ横ばいだったのに対して、東京都区部では下落幅が大きかったことが主な要因とみられる」としている。
