世界の農業機械需要、2014年まで年間4.5%で拡大する見通し
2010/08/30
株式会社グローバルインフォメーション
代表取締役社長 小野 悟
株式会社グローバル インフォメーションは、米国の市場調査会社The Freedonia Groupが発行した報告書「WORLD AGRICULTURAL EQUIPMENT (Industry forecasts for 2014 & 2019) (世界の農業機械市場:2014年・2019年の市場予測)」の販売を開始しました。
同レポートによれば、世界の農業機器需要は今後年率で4.5%拡大し、2014年には1,240億ドルに達すると予測されています。同市場の成長は、特に中国やインドなど、人口の多い地域をはじめとする新興国の農業部門で機械化が加速することにより進行していくでしょう。インドおよび中国の健全な経済成長は、あらゆるタイプの食品の一人あたりの消費需要の拡大をもたらしています。またこの新興2ヵ国の農業部門は、かなりの部分でいまだ未機械化の状態であり、先進国と比較して非効率な環境です。このことから、両国政府はそれぞれの農業部門を支援し、国の食料安全保障を確保するための作物収量改善に向けた各種政策に特に注力しています。
しかし一方で、世界の先進国の見通しはそれほど明るいものではありません。米国市場は成長基調となるものの、高度に機械化された国内農業部門の成長鈍化の影響から、世界平均に満たないだろうと本書では報告されています。調査アナリストによれば、西欧市場の成長率はさらに弱いと予測されています。また、国内農家への助成金や輸入農産物への関税課税といった保護政策以上に自由貿易政策を支持する継続的な動きから、西欧および米国の農業従事者はマイナスの影響を受けることとなるでしょう。
主要調査結果:
●2004年から2008年にかけて、世界の農業機械市場は年間7%前後の急速な成長を示した。
●世界不況に突入し、2009年の農業機械の需要は約15%縮小した。
●大規模な農業部門を抱えるその他の新興国:ブラジル・ロシア・タイ・インドネシア
●新興国における都市化の進行により、人的資本と固定資本の置き換えが起こる見通し。
●ロシア・ブラジル:農業用品の輸出機会の拡大から多くのメリットを得られる立場にある。
【市場調査レポート】
世界の農業機械市場:2014年・2019年の市場予測
WORLD AGRICULTURAL EQUIPMENT (Industry forecasts for 2014 & 2019)
http://www.gii.co.jp/report/fd125842-agricultural-equip.html
出版日: 2010/08
発行: The Freedonia Group
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小麦ゲノム解読に成功、英科学者ら 品種改良などに期待
2010年08月29日 14:16 発信地:パリ/フランス
【8月29日 AFP】英国で27日、世界で初めて小麦のゲノム(全遺伝情報)が公表された。人口増加や気候変動、害虫などの課題を抱える食糧安全保障に恩恵をもたらすとみられている。
「Chinese Spring line 42」という品種の全遺伝情報のうち95%が解読された。解読に参加した英ブリストル大学(University of Bristol)のキース・エドワーズ(Keith Edwards)氏によると、小麦のゲノムは人間のものより5倍も大きく、科学者にとって大きな挑戦だったという。
小麦の収量向上や病気、水ストレス、害虫に対する抵抗力を高める研究を支援するため、ドラフト配列はパブリックドメイン化され、インターネット上に公開された。
研究を支援した英国の研究助成機関、バイオテクノロジー・生物科学研究会議(Biotechnology and Biological Sciences Research Council、BBSRC)のダグ・ケル(Doug Kell)最高経営責任者は、「最近の小麦価格の急騰は、われわれの食糧システムが突発的な出来事に対していかにぜい弱であるかを示し、将来的な食糧不足の懸念が浮上した」と語る。
「気候変動対策が緊急の課題になっている今、食糧安全保障を支える最良の方法は、現代的な研究戦略で収量を持続的に向上させていく方法を知ることだ」とケル氏は語った。
ドラフト配列は5回もチェックされているので精度は高いはずだが、小麦ゲノムの完全な解読にはさらなる研究が必要だという。
小麦価格は6日、ロシアの森林火災と、カナダとパキスタンの穀倉地帯を襲った洪水の影響で収穫量が減るとの懸念から急騰し、24か月ぶりの高値をつけた。(c)AFP
日中ハイレベル経済対話:レアアース進展なく 「枯渇懸念」譲歩引き出せず
<分析>
日中両国の主要閣僚が経済課題を話し合う「第3回日中ハイレベル経済対話」が28日、北京で開かれ、環境・省エネなど5分野・7項目で協力関係を強化することで合意した。しかし、ハイブリッド車の性能向上などに不可欠なレアアース(希土類)輸出を中国が規制していることについては、年1回の次官級協議で検討対象とすることに合意したものの、中国側は日本側が求める規制の緩和には応じなかった。次回会合は来年、日本で開催される。【立山清也、北京・浦松丈二】
◇環境分野で協力確認
日本からは、共同議長を務める岡田克也外相のほか、野田佳彦財務相、直嶋正行経済産業相ら6閣僚と3副大臣が、中国側は共同議長の王岐山副首相のほか閣僚級8人が出席した。岡田外相は終了後の記者会見で「双方が戦略的互恵関係をさらに深めることで合意した」と述べた。
会合では、省エネ・環境協力や次官級会合の開催のほかに、中国国内の物流や流通環境の改善▽人材育成▽民間レベルでの食品安全に関する情報交換や交流活動の強化--で合意した。また、世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンドの推進や保護主義抑制、産官学による日中韓自由貿易協定(FTA)の共同研究を積極的に進めることでも一致。偽ブランドによる知的財産侵害問題でも取り組みをさらに強化することになった。
一方、日本側が強く求めたレアアースの輸出規制の緩和については、中国側が「環境保護と資源枯渇の懸念」などを理由に規制は必要との認識を示し、結論は先送りされた。また、中国国内の日系企業で賃上げを求める労働争議が相次いだことから、日本側は法整備を要請したが、中国側は「国が発展する途上で労働争議が深刻化する時期はある」と応じるにとどまった。
◇日本企業「値上がり警戒」
経済対話の主要テーマの一つは、中国のレアアース輸出規制だった。直嶋経産相は「輸出枠削減がレアアース不足をもたらし、世界の産業に重大な影響が出る」と懸念を表明。中国側が求める環境技術の移転などを提示して譲歩を引き出そうとしたが、中国側の姿勢は硬いままだった。
レアアースは、磁石の原料となるネオジム、耐熱性を高めるジスプロシウムなどに代表される希少金属の総称。ハイブリッド車や携帯電話部品の性能向上、液晶のガラス基板の研磨剤などに不可欠で、中国が世界生産量の9割を占める。
中国は7月上旬にレアアースの輸出を昨年比で約4割削減すると発表。輸出規制が続けば日本のハイテク関連企業に影響が出かねず、大手電機メーカーからは「価格が上がりつつある」と懸念の声が上がっている。
しかし、中国側は対話の中で、採掘に必要な大規模開発の環境負荷が大きいことを挙げたほか、「資源保護と国の安全保障上、規制はやむを得ない」と強調した。「レアアースを求める外国のハイテク企業を中国に呼び寄せ、高い加工技術を移転させる」(外交筋)ことが真の狙いともいわれており、簡単に譲歩に応じる気配はない。
一方、協力関係の強化で一致した模倣品による知的財産権の侵害問題については、中国製模倣品による日本企業の被害は年間約9兆円に達するともいわれているだけに、中国側の対応への期待感は強い。だが、「模倣品の工場が地方の雇用の受け皿となっているなど国内事情もあり、政府の掛け声だけで簡単に解決できる問題ではない」(日本政府関係者)という見方もあり、解決にはまだ時間がかかるとみられる。
◇中国依存、さらに加速
国内の需要だけでは成長が難しく、中国頼みを加速させる日本。産業構造転換のためにも日本の省エネ・環境技術を吸収したい中国。同対話終了後に記者会見した王岐山副首相は「中日両国は、経済の相互補完性が高い」と述べた。両国の思惑に違いはあるものの、経済面での相互依存度は高まっている。
今回の対話で直嶋経産相は6月に閣議決定した新成長戦略を紹介しながら、アジア一体の成長実現を目指すため、省エネ・環境分野で次世代送電網「スマートグリッド」普及への協力を提案。将来的には中国側が求める環境都市建設に協力することを視野に入れる。
一方、中国も、資源浪費型の成長モデルが限界に達した現代では、省エネ・環境分野での日本の協力が不可欠との認識がある。
ただ、これまで援助する側とされる側だった日中の経済関係は大きく変わりつつある。中国は今年、国内総生産(GDP)で日本を抜き、米国に次ぐ世界2位の経済大国に躍り出るのが確実。10年後には日本の2倍の経済規模になるとの試算もある。今回の訪中団は、民間企業のトップも含めて海外派遣では過去最大の総勢120人規模に膨れ上がり、中国頼みを強める日本の姿を示した。
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■ことば
◇日中ハイレベル経済対話
両国の経済関係の閣僚級が一堂に会し、経済課題を協議する場。経済面での「戦略的互恵関係」を具体的に展開する狙いがある。主要課題を包括的に協議する場として設けられ、07年12月に北京で第1回、09年6月に東京で第2回が開かれた。背景には、小泉純一郎元首相の靖国神社参拝などで冷え込んだ日中関係を改善しようとする両国の意図もあった。
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◆経済対話での合意7項目
・違法伐採などに対処するため、木材製品などの合法性証明の仕組みを構築
・10~15年のトキ保護協力を進め、トキの回復・発展を一層促進
・貿易手続きの円滑化などを協議する枠組みを定例化
・流通分野の対話の枠組みを設置
・中国の若手官僚の日本留学に学費を供与
・日本の経済産業省と中国の工業情報省間の次官級定期協議を設置
・農産物・食品の貿易と安全について情報交換や交流活動などを強化(民間レベル)
毎日新聞 2010年8月29日 東京朝刊
ロシアのプーチン首相、食糧輸出禁止の理由を説明
2010-08-28 16:08:21 cri
ロシアのプーチン首相は27日「食糧および食糧製品の輸出規制を決めたのは、来年の収穫量や需要状況などがまだ明らかになっていないからだ」と述べました。
プーチン首相は「今年の干ばつにより、多くの地域で食糧の減産が発生するとともに、秋に収穫する穀物の栽培面積も減少した。しかし、ロシアには食糧危機は存在しない。ロシア国内では現在、食糧の価格が上昇する理由がなく、急騰など話にならない。故意に価格を引き上げるなどの詐欺行為に対しては、連邦の独占防止局が責任をもって取り締まっていく。また、各地の関係部門はすでに食糧価格上昇を抑えるための対応策を講じている」と語りました。
ロシア農業省はこのほど、今年の食糧生産量の予測値を6000~6500万トンまで下方修正しました。5日、ロシア政府は今月の15日から年末まで食糧及び食糧製品の輸出を禁止すると発表しました。(翻訳:ZHL)
50万戸の農家を再生させた直売所
2010年8月27日
次々に引きおこされる食品の偽装事件。その信頼回復もままならぬというのに、こんどは殺虫剤入りの輸入冷凍餃子事件が発覚してしまった。日本の食 卓を支えている基盤のもろさと危うさが内と外から露わになってしまった。なぜ日本の食はこれほどまでに外部に、そして海外に依存しなければならないのか。 改めて食料自給率39%の貧しい食の現在を思い知らされることになった。
食に対する不信と不安が日々に高まる中で、それを解消すべく、人々が集まってくる場所がある。この十数年、日本の農山漁村に次々に開設された農産 物直売所。ここはいま、日本でもっとも良質で信頼に足る食に出会える場所である。そこに行けば朝どりの新鮮野菜はもちろん、農家の主婦たちが丹精こめた手 作り惣菜や加工品を手にすることができる、いわば畑に最も近い食料品店、農家が共同して営む八百屋さんでもある。そして何よりも汗して働く農家の明るい笑 顔に出会えるところである。

現在、農産物直売所は全国に1万カ所以上あるといわれている。そしてその歴史は新しく、その大半はバブル経済崩壊後の1990年代になってから開 設されたものばかりである。時代が不況にあえぎ、リストラ、倒産が相次ぎ、地方商店街が次々とシャッター通りと化していくなかで、「空白の10年」に抗う かのように、商業立地には不利な農山村に次々に1万カ所以上も新設されていった農産物直売所。その設立の背景をさぐれば、大規模農業を推し進める日本農政 の問題が横たわっている。
91年、農水省は統計上の農家分類を、それまでの専業農家・一種兼業農家・二種兼業農家の3分類から、販売農家と自給的農家の2分類に変えた。販 売農家とは耕地面積を30アール以上もっているか、または年間販売額50万円以上の農家をさす。それを満たさない農家は「自給的」であるとして、統計上は もちろんのこと、政策の対象から外した。要するに農家のリストラである。それゆえ今日私たちが手にする農業データはすべて販売農家だけを対象にしたもので ある。
国家から、もはやお前たちは日本農業の担い手に非ず、と戦力外通告を受けた「自給的農家」はその後どうなっただろうか。91年当時、その数はわが 国全農家数の約25%を占め、約80万戸に及んだ。たしかに日本の農家の耕地規模は小さく、その担い手も高齢者や女性たちが多い。しかし食料自給率の低下 が止まらぬこの国で、たとえ小規模な生産力でも、それを切り捨てるほどの余裕はあるのか。当時私も、大規模化一辺倒にひた走る農政に批判の紙つぶてをぶつ けてみたのだが、反応は全くなかった。
政策支援を打ち切られて自給的農家は、このまま消えていくしかないのだろうか──。しかしそんな心配は無用だった。切り捨てられた自給的農家は、 農政の呪縛から解放されて自由になったかのように、むしろのびやかになり、自らの販売拠点をプレハブで建てたり、心ある地方自治体の支援を受けて直売施設 を次々に開設していった。販売しているのは家族が食べている自給的農産物の余剰、すなわちわが畑のおすそわけ。かつて厳しい出荷規格ではじかれた曲った キュウリや不揃いのトマト。見てくれは悪いが味は抜群。商品化のために無理な栽培法はしていないが安全、安心。そんな野菜でもよかったらと、一袋百円ほど で並べてみれば、予想外の客が次々にやってきてたちまち完売。すぐ近くにある畑から運んできた取れたて野菜の水々しさ。完熟野菜のおいしさ。そして何より うれしいその安さ。宣伝もしないのに、うわさがひろがり売り上げ倍増。
こうして農産物直売所は全国にひろがっていった。農産物直売所に行けばイキイキとした表情で野菜を収穫して運んでくる農婦が行きかう。あきらめか けていた農への思いをとり戻し、再び鍬をもって汗を流す老農たちがいる。農業と農村が久しく忘れかけていた笑顔に出会える。そして消費者もまた、千里を遠 しとせず、朝どり野菜のおいしさと安全さを求めてかけつけてくる。その出会いの感激に、お互いの嬉しい会話がはずむ。食卓と田園の、いつのまにか離れてし まっていた距離が少しずつ縮まっていった。まだまだスローガンにとどまっていた「地産地消」という言葉に、最初に実質を与えたのは、農政によって切り捨て られた小さな自給的農家が集まってつくった農産物直売所である。
そしてその売り上げは推計で6000億円を超すといわれている。この6000億円という数字は農業県が集まる東北の、3県分の全農業生産額に匹敵 する。現在日本の農家の平均農業収入は約120万円であるが、6000億円とは日本の平均農家50万戸分に相当する。切り捨てられ、のびやかになって工夫 をこらし、50万戸の農家を再生させたのも農産物直売所の功績であるが、その役割はそれにとどまらず直売所はさらなる進化をとげている。グリーンツーリズ ム、食育、農家レストランなど都市と農村の交流事業も直売活動から生まれたものである。そして最近の動きは、直売所を農産物供給にとどまらせず、地域の食 文化の発掘と活用。伝統料理や郷土料理の再評価と提供など、その機能を充実させつつある。

この十数年、東北のいくつかの農産物直売所の開設や運営に少しく関わりながら思うことは、私たちの食を支える農業を後退させたのは、老若男女、農 地の大小の違いこそあれ、それぞれの能力を発揮させる最適の場をつくりあげられなかったからではないかと思わされる。意欲をかきたてる場と機会をきめ細か く用意すれば、たとえ高齢者であろうと、その力は無限にひらかれていくのではないか。食への不信と農への不安にゆれる日本。農産物直売所に学ぶものはまだ まだ多い。
(初出:『日経エコロジー』2008年4月号)
