我々は、これまで何を、食べてきたのか? いま何を、食べているのか? そして、これから何を、食べてゆきたいのか? 思索
四国新聞社
8月21日付・饑餓からの出発
2011/08/21 09:35
作家の永井荷風は東京大空襲に遭って、岡山に逃れ、この地で終戦を迎えた。66年前のきょう、すなわち1945(昭和20)年8月21日付の日記「断腸亭日乗」に「山下町の角に飲食店出来コーヒー五銭の貼紙(はりがみ)を出したり」とある。
終戦直後の饑餓(きが)時代、人々の最大の関心事は食べ物が中心である。終戦から3日目、8月18日の日記には「食料いよいよ欠乏するが如(ごと)し。朝おも湯を啜(すす)り昼と夕とには粥(かゆ)に野菜を煮込みたるものを口にするのみ」と弱音を吐く。ただ「空襲警報」を聞かないのが「最大の幸福」と感謝。
主食の配給は1人につき2合3勺(しゃく)(330グラム)から、2合1勺(297グラム)に減量。配給だけでは戦前のカロリーの半分も摂取できなかった。買い出し、闇市で入手するサツマイモ、大豆、カボチャ、アワ、ヒエなどで補ったという。ぬか団子のまずさは、いま思い出してもイヤと語る人もいる。
戦後の苦しさを忘れないために、と「すいとん」を食べる催しなどがあるが、上等のメリケン粉を使い、本格的みそで味つけしたのでは誤解を招く、と批判的なお年寄りもいた。いまは饑餓がうそのような世の中。だが、2010年度の食料自給率(カロリーベース)は39%に低下した。
食料確保への道筋は常につけておく必要がある。空腹でも、明るい解放感が終戦直後の、人々の背中を押した。夏の終わり、豊かな食べ物に感謝し、東日本大震災の早期復興を願い、丸亀の婆娑羅(ばさら)ダンス「風起」よ、跳ねよ。(N)
8月21日付・饑餓からの出発
2011/08/21 09:35
作家の永井荷風は東京大空襲に遭って、岡山に逃れ、この地で終戦を迎えた。66年前のきょう、すなわち1945(昭和20)年8月21日付の日記「断腸亭日乗」に「山下町の角に飲食店出来コーヒー五銭の貼紙(はりがみ)を出したり」とある。
終戦直後の饑餓(きが)時代、人々の最大の関心事は食べ物が中心である。終戦から3日目、8月18日の日記には「食料いよいよ欠乏するが如(ごと)し。朝おも湯を啜(すす)り昼と夕とには粥(かゆ)に野菜を煮込みたるものを口にするのみ」と弱音を吐く。ただ「空襲警報」を聞かないのが「最大の幸福」と感謝。
主食の配給は1人につき2合3勺(しゃく)(330グラム)から、2合1勺(297グラム)に減量。配給だけでは戦前のカロリーの半分も摂取できなかった。買い出し、闇市で入手するサツマイモ、大豆、カボチャ、アワ、ヒエなどで補ったという。ぬか団子のまずさは、いま思い出してもイヤと語る人もいる。
戦後の苦しさを忘れないために、と「すいとん」を食べる催しなどがあるが、上等のメリケン粉を使い、本格的みそで味つけしたのでは誤解を招く、と批判的なお年寄りもいた。いまは饑餓がうそのような世の中。だが、2010年度の食料自給率(カロリーベース)は39%に低下した。
食料確保への道筋は常につけておく必要がある。空腹でも、明るい解放感が終戦直後の、人々の背中を押した。夏の終わり、豊かな食べ物に感謝し、東日本大震災の早期復興を願い、丸亀の婆娑羅(ばさら)ダンス「風起」よ、跳ねよ。(N)
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徳島新聞
「買い物難民」救え 県シルバー連合会、ネットスーパー設立へ
2011/8/20 10:26
過疎化や商店街の衰退による「買い物難民」を救済するため、徳島県シルバー人材センター連合会が10月、ネットスーパーを立ち上げる。三好、美馬の両市と、つるぎ町の一人暮らしの高齢者が対象で、多機能端末「iPad(アイパッド)」で商品を購入。来年3月までの半年間で採算性などを調べ、ニーズが高ければ事業継続も検討する。
ネットスーパーでは、事業参加を希望する商店や産直市が数千点の食料品、日用品などを販売。価格はすべて店頭と同じにする。
週2回、県の緊急雇用対策事業を活用して連合会が雇用する支援員が高齢者宅を訪問。高齢者は支援員が持参した多機能端末「iPad」を使い、購入したい商品を注文する。数日以内に支援員が商品を配達し、料金を受け取る仕組み。
支援地域は三好、美馬両市とつるぎ町で、移動スーパーなどが巡回している地域は除く。対象は介護保険の要介護認定を受けていない一人暮らしの高齢者。支援員の巡回に限度があるため、9月に3市町で実施するアンケート調査を基に、約40世帯で始める。
経済産業省の推計では買い物難民は、全国で約600万人いるとされている。高齢化率の高い県西部でも相当数の難民がいると考えられ、連合会が「高齢者ニーズ支援モデル事業」として、県西部のスーパーや産直市などと連携してネットスーパーの設立を決めた。
事業費は約1800万円で、実施は来年3月末まで。採算性などを判断し4月以降、事業を継続するかどうか決める。シルバー人材センターがネットスーパーを設立して高齢者の買い物を支援するのは、松山市に次いで全国2例目。
連合会の田渕洋子事務局次長は「買い物支援だけでなく、安否確認や介護・福祉サービス情報の提供も行い、地域で高齢者を支えていきたい」と話す。
買い物難民 歩いて行ける範囲内で営業している店舗が減り、食料品など日常の買い物が困難になっている人のこと。「買い物弱者」とも呼ばれる。郊外の大型ショッピングセンターが増える半面、市街地の商店街で個人商店などの閉店が相次いでいることや過疎が背景。特に、自動車を運転できない高齢者にとって深刻な問題になっている。
「買い物難民」救え 県シルバー連合会、ネットスーパー設立へ
2011/8/20 10:26
過疎化や商店街の衰退による「買い物難民」を救済するため、徳島県シルバー人材センター連合会が10月、ネットスーパーを立ち上げる。三好、美馬の両市と、つるぎ町の一人暮らしの高齢者が対象で、多機能端末「iPad(アイパッド)」で商品を購入。来年3月までの半年間で採算性などを調べ、ニーズが高ければ事業継続も検討する。
ネットスーパーでは、事業参加を希望する商店や産直市が数千点の食料品、日用品などを販売。価格はすべて店頭と同じにする。
週2回、県の緊急雇用対策事業を活用して連合会が雇用する支援員が高齢者宅を訪問。高齢者は支援員が持参した多機能端末「iPad」を使い、購入したい商品を注文する。数日以内に支援員が商品を配達し、料金を受け取る仕組み。
支援地域は三好、美馬両市とつるぎ町で、移動スーパーなどが巡回している地域は除く。対象は介護保険の要介護認定を受けていない一人暮らしの高齢者。支援員の巡回に限度があるため、9月に3市町で実施するアンケート調査を基に、約40世帯で始める。
経済産業省の推計では買い物難民は、全国で約600万人いるとされている。高齢化率の高い県西部でも相当数の難民がいると考えられ、連合会が「高齢者ニーズ支援モデル事業」として、県西部のスーパーや産直市などと連携してネットスーパーの設立を決めた。
事業費は約1800万円で、実施は来年3月末まで。採算性などを判断し4月以降、事業を継続するかどうか決める。シルバー人材センターがネットスーパーを設立して高齢者の買い物を支援するのは、松山市に次いで全国2例目。
連合会の田渕洋子事務局次長は「買い物支援だけでなく、安否確認や介護・福祉サービス情報の提供も行い、地域で高齢者を支えていきたい」と話す。
買い物難民 歩いて行ける範囲内で営業している店舗が減り、食料品など日常の買い物が困難になっている人のこと。「買い物弱者」とも呼ばれる。郊外の大型ショッピングセンターが増える半面、市街地の商店街で個人商店などの閉店が相次いでいることや過疎が背景。特に、自動車を運転できない高齢者にとって深刻な問題になっている。
信州Liveon
「持続可能な暮らし」本に 富士見の女性が出版
環境省出身で今年4月から県温暖化対策課長を務めている中島恵理さん(38)=諏訪郡富士見町乙事=が、環境負荷の少ない自然と調和した暮らしの事例や考え方をまとめた「田園サスティナブルライフ 八ケ岳発!心身豊かな農ある暮らし」を出版した。役所勤めの平日は東京に滞在、週末は富士見町で「農家の嫁」になるという二重生活をして約10年。八ケ岳山麓の田園地帯で家族や住民と共に歩んだ暮らしの実践を報告している。
中島さんは1995年に環境庁(現環境省)入庁。2002年に結婚し、夫の実家がある富士見町に住み始めた。今年4月から長野県に出向し、現在は長野市と同町を行き来している。
故郷で新規就農した夫が農業に取り組み、現金収入は主に中島さんの給料がカバーする兼業農家の暮らし。その中で、自宅を家族の手で建てる「セルフビルド」をしたこと、農産物の販売で収入を得ることの厳しさ、地域で出会った農家や住民グループの活動などを書いた。
セルフビルドは地元の木を確保するところから始め、約7年かけ住める状態にした。農業は販売収入は得られなくても家庭の食料自給率を上げた。長男と長女の育児休暇の間には環境問題を学ぶ母親グループを立ち上げるなど、地域づくりに関わった。こうした暮らしを「最高のぜいたく」と表現する。
自身の活動に限らず、八ケ岳山麓の地域資源を生かして文化や景観、農地を守る活動をしているグループの動きも数多く紹介。それぞれがサスティナブル(持続可能)な活動を目指しており、「特に東日本大震災後の社会で見直されるべき存在になってきた」と感じている。B6判、216ページ。2千円。学芸出版社発行。
(提供:信濃毎日新聞)
「持続可能な暮らし」本に 富士見の女性が出版
環境省出身で今年4月から県温暖化対策課長を務めている中島恵理さん(38)=諏訪郡富士見町乙事=が、環境負荷の少ない自然と調和した暮らしの事例や考え方をまとめた「田園サスティナブルライフ 八ケ岳発!心身豊かな農ある暮らし」を出版した。役所勤めの平日は東京に滞在、週末は富士見町で「農家の嫁」になるという二重生活をして約10年。八ケ岳山麓の田園地帯で家族や住民と共に歩んだ暮らしの実践を報告している。
中島さんは1995年に環境庁(現環境省)入庁。2002年に結婚し、夫の実家がある富士見町に住み始めた。今年4月から長野県に出向し、現在は長野市と同町を行き来している。
故郷で新規就農した夫が農業に取り組み、現金収入は主に中島さんの給料がカバーする兼業農家の暮らし。その中で、自宅を家族の手で建てる「セルフビルド」をしたこと、農産物の販売で収入を得ることの厳しさ、地域で出会った農家や住民グループの活動などを書いた。
セルフビルドは地元の木を確保するところから始め、約7年かけ住める状態にした。農業は販売収入は得られなくても家庭の食料自給率を上げた。長男と長女の育児休暇の間には環境問題を学ぶ母親グループを立ち上げるなど、地域づくりに関わった。こうした暮らしを「最高のぜいたく」と表現する。
自身の活動に限らず、八ケ岳山麓の地域資源を生かして文化や景観、農地を守る活動をしているグループの動きも数多く紹介。それぞれがサスティナブル(持続可能)な活動を目指しており、「特に東日本大震災後の社会で見直されるべき存在になってきた」と感じている。B6判、216ページ。2千円。学芸出版社発行。
(提供:信濃毎日新聞)
bloomberg
FRB、スタグフレーションが躊躇させるQE3-高過ぎるコアCPI
8月19日(ブルームバーグ):米国の消費者物価が、景気減速にもかかわらず上昇する兆しが表れている。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が景気刺激のために追加策に踏み切る時期が、インフレ懸念によって遅れることも予想される。
バーナンキ議長は米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムで26日に講演を予定する。昨年は同じ講演の機会を利用し、FRBが量的緩和第2弾(QE2)として、今年6月までに実施した総額6000億ドル(現在の為替レートで約45兆8700億円)の国債購入の開始を示唆する発言を行った。
米ヘッジファンドのトラクシス・パートナーズの共同創業者でマネジングパートナー、バートン・ビッグス氏をはじめとする投資家らは、FRBが量的緩和第3弾(QE3)として新たな資産購入に乗り出すことを求めている。
しかし、18日発表された7月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.5%上昇と、ブルームバーグ・ニュースが調査したエコノミストの予想中央値(0.2%)の倍以上の高い伸びとなった。これによって、FRB内部で追加策に反対する政策担当者らが勢いづく可能性がある。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替戦略グローバル責任者、マーク・チャンドラー(ニューヨーク在勤)は「われわれがスタグフレーション(不況と物価高騰の同時進行)に直面していると言うのは難しいが、インフレ率はFRBがQE3を実施するには高過ぎる」との見方を示す。
障害なくなれば再検討も
一方、キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、ポール・デール氏は、昨年のジャクソンホールのシンポジウム直前の食料品・エネルギーを除くコアCPI上昇率は0.9%で、その後低下すると予想されていたのに対し、現在は前年同月比1.8%の水準で上昇が続く可能性があると指摘。「年内に大掛かりな追加刺激策が行われることは恐らくないが、来年初めにコアインフレが低下に転じる状況が明らかになれば、QE3が再び検討されることはあり得る」と話している。
記事に関する記者への問い合わせ先:Shobhana Chandra at schandra1@bloomberg.net;Alex Kowalski in Washington at David Lynch at Dlynch27@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:Christopher Wellisz at +1-202-624-1862 orcwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2011/08/19 17:13 JST
FRB、スタグフレーションが躊躇させるQE3-高過ぎるコアCPI
8月19日(ブルームバーグ):米国の消費者物価が、景気減速にもかかわらず上昇する兆しが表れている。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が景気刺激のために追加策に踏み切る時期が、インフレ懸念によって遅れることも予想される。
バーナンキ議長は米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれる経済シンポジウムで26日に講演を予定する。昨年は同じ講演の機会を利用し、FRBが量的緩和第2弾(QE2)として、今年6月までに実施した総額6000億ドル(現在の為替レートで約45兆8700億円)の国債購入の開始を示唆する発言を行った。
米ヘッジファンドのトラクシス・パートナーズの共同創業者でマネジングパートナー、バートン・ビッグス氏をはじめとする投資家らは、FRBが量的緩和第3弾(QE3)として新たな資産購入に乗り出すことを求めている。
しかし、18日発表された7月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.5%上昇と、ブルームバーグ・ニュースが調査したエコノミストの予想中央値(0.2%)の倍以上の高い伸びとなった。これによって、FRB内部で追加策に反対する政策担当者らが勢いづく可能性がある。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの為替戦略グローバル責任者、マーク・チャンドラー(ニューヨーク在勤)は「われわれがスタグフレーション(不況と物価高騰の同時進行)に直面していると言うのは難しいが、インフレ率はFRBがQE3を実施するには高過ぎる」との見方を示す。
障害なくなれば再検討も
一方、キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、ポール・デール氏は、昨年のジャクソンホールのシンポジウム直前の食料品・エネルギーを除くコアCPI上昇率は0.9%で、その後低下すると予想されていたのに対し、現在は前年同月比1.8%の水準で上昇が続く可能性があると指摘。「年内に大掛かりな追加刺激策が行われることは恐らくないが、来年初めにコアインフレが低下に転じる状況が明らかになれば、QE3が再び検討されることはあり得る」と話している。
記事に関する記者への問い合わせ先:Shobhana Chandra at schandra1@bloomberg.net;Alex Kowalski in Washington at David Lynch at Dlynch27@bloomberg.net
記事に関するエディターへの問い合わせ先:Christopher Wellisz at +1-202-624-1862 orcwellisz@bloomberg.net
更新日時: 2011/08/19 17:13 JST
WIRED.jp
食料価格と世界的政情不安:まもなく「臨界点」に?
政情不安の発生は食料価格の高騰と関係しており、近年の北アフリカや中東等で見られた政変は、さらに大規模な混乱の前触れを示す可能性があるとする研究結果が発表された。
食料価格と政情不安に関する最新分析によると、2008年に世界各地で起こった食糧をめぐる暴動(日本語版記事)や、現在進行中の「アラブの春」は、今後発生するさらに大規模な出来事の前触れかもしれないという。
「食料価格が高騰するとき、必ずこのような暴動が発生する。しかし、そうした価格高騰の根底にある、その背景で進行している傾向を見ると、これもまた、非常に急速な高まりを示している」と、ニューイングランド複雑系研究所のヤニーア・バー=ヤム所長は話す。「背景で進行しているこの傾向は、あと1~2年のうちに、大きな混乱を引き起こすレベルに達するだろう」
バー=ヤム所長らのチームは、市場動向(日本語版記事)や経済の変化、民族間抗争、ハリウッド映画といった社会的データの中から、「数学的サイン」を見つけ出す研究を行っている。
8月11日付でプレプリント・サーバー[学術雑誌に掲載される前の論文の公開に使用されるサーバー]『arXiv』に公開された、バー=ヤム所長らの最新の論文によると、2008年の食糧をめぐる暴動、および現在の「アラブの春」は、いずれも基礎的な食料品価格が1年にわたって高騰を続けた末に起こっている。
国連食糧農業機関(FAO)の食料価格指数(2004年1月~2011年5月分)。黒の曲線は名目価格、青の曲線はインフレ調整後の実質価格。赤の点線は、北アフリカや中東で食糧をめぐる暴動や政情不安が始まった日付を表す。青と黒の水平線は、それぞれ名目価格とインフレ調整後価格における、暴動発生の閾値を示している。[食料価格指標は、小麦、トウモロコシ、コメ、油糧種子、乳製品、砂糖および食肉の国際価格について、2002~2004年を100とし、食品全体の平均価格を指数化したもの] Image: Bar-Yam et al/arXiv
「アラブの春」を引き起こす上で食料価格が果たした役割については、すでに広く指摘されている。バー=ヤム所長らの研究が革新的なのは、国連食糧農業機関(FAO)の食料価格指数から、名目価格にして約215ポイント、インフレ調整後の価格で190ポイントという、2つの数値を特定したことだ。
2004~2011年の食料価格および社会不安の動向を示したグラフでは、食料価格指数がこれらの数値に達したときに、暴動が勃発している。グラフを見ると、2008年の食料高騰時の価格指数は、これらの数値を上回っているが、バー=ヤム所長らが着目しているのは、その背景において着実に増大しつつある価格上昇傾向だ。主に商品投機、農作物の燃料への転用、および肥料と石油の価格上昇がもたらしているこの傾向は、2012~2013年の間に、問題の数値を超えるとみられる。
「そのレベルに到達してしまえば、価格の急騰はもはや問題ではない。問題はこの傾向のほうだ。そして傾向を軌道修正するほうが、より困難だ」とバー=ヤム所長は述べる。このレベルに到達したとき、北アフリカや中東より安定した国々でも、広範囲に及ぶ政情不安や社会不安が発生するおそれがあるという。
{この翻訳は抄訳です}
TEXT BY Brandon Keim
TRANSLATION BY ガリレオ -高橋朋子
WIRED NEWS 原文(English)
2011年8月19日
