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我々は、これまで何を、食べてきたのか? いま何を、食べているのか? そして、これから何を、食べてゆきたいのか? 思索

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毎日新聞


農and食:就農で心豊かに 家族との時間にゆとり

 若者の関心が、かつてないほど農業に向かっている。ただ、「おいしく食べる」だけにとどまらない。「農作物をつくってみたい」「新規就農したい」。そう希望する人も多い。だが、身近にはなかなか新規就農した若者はいない。今回は、千葉県東金市で無農薬野菜作りと宅配事業に取り組む青年を紹介する。さらにブロッコリーの健康効果や、企業などの「農」への取り組みをお伝えする。【小野博宣、橋本政明】

 ◇消費者と語り、笑い合う生産者 肩書は「百笑」

 千葉県東部の九十九里平野。夏の強い日差しが降り注ぐ7月、東金市郊外の畑に志野佑介さん(28)の姿があった。

 農薬をまったく使わずに育てたナス、ピーマンがたわわに実る。ひとつひとつを丁寧に収穫し、かごに入れた。

 「土をちゃんと作ること。それと、(雑)草とどう向き合うか」。無農薬栽培のポイントを教えてくれた。ナスとピーマンを口に含んだ。ナスはリンゴのように甘く、ピーマンのさわやかな風味が口中に広がった。「おいしい」と思わずもらすと、志野さんはほほえんだ。

 □    □

 4年半前に新規就農し、09年1月に志を同じくする仲間と「あいよ農場」を設立した。以来、無農薬にこだわり、宅配で新鮮な野菜を消費者や飲食店に届けている。その数は約140軒にもなる。

 「新規就農することの豊かさを証明したかった」。土作りから栽培、収穫、販路の開拓と奮闘を続け、経営は軌道に乗った。地域の農家の信頼も得て、休耕する田畑の耕作も任される。国内外の研修生も受け入れている。

 有機農家の豊かさとは何か。「家族といられる時間が長いじゃないですか」。膝の上に、昨年2月に生まれた長男、豊和ちゃんが乗る。笑顔だ。「衣食住があるのも強みですね」と言う。確かに大都市に通う勤め人には、「衣」「住」はあっても「食」はない。東日本大震災の後だからこそ、その重要性は理解できる。また、家族といられる時間も極端に短い。

 だが、その理由だけで就農したのではない。高校3年の時、黒柳徹子さんとアフリカの子供たちの交流を描いた本「トットちゃんとトットちゃんたち」を読む。アフリカの子供たちが置かれた現状に、強い衝撃を受けた。「いてもたってもいられなくなりました。子供たちのために自分は何ができるのか。医者になるか、農業か」と考えた。「医者は血を見るのが怖くて」と断念し、農業を志した。

 □    □

 名門進学高校から、国際農業開発学科のある東京農大へ。「学科は自分で探しました。それまでは東京農業大も知りませんでした」。在学中から農業サークルに入り、泊まり込みで農業技術を身につけた。だが、国家公務員の父は就農に猛反対したという。「もし(就農するなら)就職してお金をためて、5年後10年後にしては」。その父のアドバイスを振り切って就農した。

 「お客さんとのコミュニケーションが一番大切」と言う。約140軒の宅配先の「90%以上の人と会ってます」と語る。消費者と語り、笑い合う生産者。名刺の肩書には「百笑」とあった。「まだまだ一人前ではないですから、学ぶことはたくさんあります」。笑い声が畑に広がった。

      ◇

 連絡先は「あいよ農場」(ファクス050・3737・7638、携帯090・5409・1297)。

 ◇がん予防にブロッコリー脚光 抗酸化作用、ピロリ菌除菌効果も

 ブロッコリーの新芽(発芽ブロッコリー)が健康・医療面から注目を集めている。肝臓の解毒力を高め、がん予防効果があり、抗酸化作用、ピロリ菌の除菌効果も報告されているという。

 その本体は「スルフォラファン」というピリ辛成分(イオウ化合物)。カリフラワー、キャベツ、菜の花など、同じアブラナ科の野菜にも含まれている。野菜の細胞には前駆物質の状態で存在し、咀嚼(そしゃく)で加水分解酵素と反応してスルフォラファンに変わる。成熟ブロッコリーに比べ新芽のほうが含有量は圧倒的に多い。

 主要機能の、肝臓の代謝力を高める作用についてみると肝臓には、大気中の化学物質や食品の焦げ成分などの有害物質を解毒酵素の力で無害物質に分解する役割がある。

 ところが、その機能は、脂っこいものの取りすぎやアルコールの過飲などの食習慣やストレスなどが原因で低下しがちだ。加齢によっても弱くなっていく。

 米ジョンズ・ホプキンス大のポール・タラレー博士らは、スルフォラファンに解毒酵素を活性化する働きがあることを、1990年代の研究で発見した。その発表を機に、米国では発芽ブロッコリーが大人気となった。

 放射線医学総合研究所と茨城県立医療大学の共同研究では、スルフォラファンに放射線の増感作用があることが分かった。スルフォラファンと放射線を併用する放射線・化学療法の開発で、より少ない照射線量で同じ水準のがん殺傷効果や正常細胞への影響軽減効果が可能になると期待されている。

 ブロッコリーはイタリア原産。ビタミンB2やビタミンCを多く含む。日本には明治時代に入ったが、広く家庭で食べられるようになったのは1980年代からだ。

 ◇農薬に正しい理解を 教職員向けセミナーに140人

 中学・高校の家庭科教職員向け「食育と食の安全を考えるセミナー」(毎日新聞社主催、学研パブリッシング後援、農薬工業会協力)が7月23日、東京都千代田区の東京ステーションコンファレンスで、約140人が参加し開かれた。

 2部構成の第1部では、管理栄養士で東京家政学院大客員教授の宗像伸子氏が「食育には、栄養バランスとともに食事力の向上が大切」と訴えた。続いて東京大農学生命科学研究科(食の安全研究センター)の真鍋昇教授は「農薬に関する基礎講座~食の安全・安心を目指して~」と題して講演した。

 真鍋教授は「農薬は危険性ばかりが伝わっているが、むしろ医薬品より危険性が低いというデータもある。検査・管理体制は厳格であり、計画的な栽培に必要なものとして、正しく理解してほしい」と語った。

 講演後の質疑応答では、「栄養が偏りがちになっているが、対策は」「農薬の正しい扱い方は」など質問が相次いだ。

 ◇デパート屋上に野菜畑

 伊勢丹新宿店(東京都新宿区)の本館屋上にある「アイ・ガーデン野菜畑」が注目を集めている。「食の安全性と食糧自給率向上に寄与し、お客様とともに環境問題を考える」ことを狙いに、6月11日から11月30日まで開かれている。

 土を使用しないで水の中に根をはらせる「水気耕栽培方法」と、漢方生薬を使って土壌に栄養を与えながら育てる「漢方農法」で栽培している。

 これまでに収穫されたトマト、ナス、キュウリなどは、社員食堂のメニューに使用された。今年は観賞のみだが、来年は種まきから収穫まで一般参加型の企画を検討している。

 同本店長の中陽次・三越伊勢丹常務は「新宿でおいしい野菜が取れると、なんだかほっとしますよね。小さなことですが、お客様と食の安全性を考えるきっかけになればうれしいです。将来は取れた野菜の販売を目指していく」と語った。


毎日新聞 2011年8月31日 東京朝刊



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読売新聞



農水省が組織再編、「食料産業局」を新設

 農林水産省は9月1日、本省と地方組織を再編する。

 農水省の大規模な組織改革は、2003年の食糧庁廃止以来となる。

 本省に新たに「食料産業局」を設け、第1次産業の高度化や農水産物の輸出拡大、再生可能エネルギーの導入促進などを手がける。担当分野が重なる経済産業省などと連携を深め、農林水産業の競争力強化を図るのが狙いだ。

 コメ政策を担ってきた「総合食料局」は廃止する。9月以降、コメはその他の農畜産物を所管している「生産局」に一元化される。

 地方組織は、全国346か所にある農政事務所などの出先機関を再編し、103か所の地域センター、支所に衣替えする。拠点の減少について農水省は「様々なサービスを1か所で行えるほか、1拠点あたりの人員が増え、機動的に動きやすくなる」(文書課)と説明している。

(2011年8月30日20時35分 読売新聞)



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朝日新聞



原油に汚染されるナイジャーデルタの人びとの命

2011年8月30日

アムネスティ・インターナショナル@ナイジャーデルタ

 8月上旬、国連はナイジャーデルタの一角を占めるオゴニランドへの原油汚染の影響に関する報告書を発表しました。本報告書は、石油会社シェル社がナイジェリアのナイジャーデルタ地域に壊滅的な打撃を与えてきたことを明らかにしています。

 今回は、ナイジャーデルタで起こっている原油汚染がどのようなものなのか、ご紹介します。

◆ナイジャーデルタとは?

 ナイジャーデルタは、世界有数の湿地帯であり、世界でも有数の沿岸海洋生態系で知られています。

 一方、石油採掘にともなう原油流出や廃棄物、そして燃え上がる天然ガスは、ナイジャーデルタでも、いまやあたりまえの光景となっています。こうした公害は、何十年にもわたってこの地域に影響を及ぼし、土壌、水、大気に深刻な影響を与えてきました。

 人権への影響は深刻であるにもかかわらず、問題はあまり報道されず、ナイジェリア政府や石油会社が配慮することは、めったにありません。そして、情報不足により問題は悪化する一方です。

 ナイジャーデルタの住民は、石油産出によって自らの生活にどれほどの影響があるのか、基本的な情報を手に入れることすらできないのです。

◆国連の報告書が示すもの

 8月上旬に国連が発表した報告書は、ナイジャーデルタにおける生活様式や食料資源を破壊するに至った、原油汚染による農業や漁業の損害を検証しています。最も深刻な事実は、コミュニティーにおける深刻な健康リスクを露呈した飲料水の汚染の度合いです。

 一つの事例では、地域の水に世界保健機関の基準を900倍上回る発がん物質が含まれていることが確認されています。国連環境計画は、緊急にコミュニティーに危険を警告することを推奨しています。

 1958年、ナイジェリアのオロイビリにおいて、シェル・ブリティッシュ・ペトローリアム(現ロイヤル・ダッチ・シェル)が原油を発見して以来、石油企業はナイジャーデルタで商業生産を行ってきました。今日、石油産業はナイジャーデルタに莫大な土地を所有しています。シェル社単独でも、3万1000立方キロメートルの敷地を有しているのです。

 石油と天然ガスの産業部門は、ナイジェリアの貿易黒字の97%、そして政府の収入の79.5%に相当しています。1960年代以降、石油は6000億ドル以上を生み出してきたと推定されます。

 ナイジャーデルタにおける石油企業は、ナイジェリア政府とシェル社、エニ社、シェブロン社、トタル社、そしてエクソンモービル社などの多国籍企業、またいくつかのナイジェリア企業からなっています。

 国連開発計画(UNDP)によると、この地域に暮らす60パーセントの人びとが、自然環境に依存しながら生活しています。

 国連開発計画によると、1976年から2001年の間に6800件以上の原油の流出が報告されました。しかし多くの専門家は、明るみに出ないものの、実際の流出量はもっと多いであろうと推察しています。

◆現地の人びとの命と健康を守るために

 ナイジェリアの規制は、石油企業は流出した石油を浄化しなくてはならないと定めています。しかしながら、この規制には強制力がありません。

 国連の報告書は、シェル社がナイジャーデルタに甚大な被害を与えたことを証明しています。しかし、同社が何十年にもわたって被害を無視し続けたことや、国際基準に即して最善を尽くしていると偽って主張してきたことに対する責任の追求はみられません。

 アムネスティはナイジェリアの政府に、次のことを求めています。

・石油企業への効果的な規制のため、現行法を改正すること

・影響を受けているコミュニティーと十分に協議をした上で、石油による汚染の浄化に公的に取り組むこと

・石油企業による汚染が人権に与える影響について、注意深く監視し、結果を公表すること





■■アムネスティについて■■

 アムネスティは、人権侵害に対する調査と、独立した政策提言と、ボランティアによる市民の力に基づいて活動する国際的な人権団体です。すべての人が「世界人権宣言」や、国際法に定められた人権を享受できる世界の実現をめざしています。 

◆◆アムネスティ・インターナショナル創立50周年◆◆





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